安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄
美唄は、かつて炭鉱の町として栄えました。
涼やかな風がそよぐ青葉の一日、その美唄出身の彫刻家、安田侃氏の作品が展示されている野外美術館を訪れました。
広い敷地内に点在する作品は、どの角度から鑑賞しても自由で、しかも腰掛けたりくぐり抜けたりと実際に手で触れてみることは、思っていた以上に新鮮な体験でした。
廃校になった郷愁感たっぷりの古い木造校舎の二階はギャラリーで、そこにも作品が何気なく置かれていました。
一階は現役の幼稚園で、これまたびっくりです。
園児たちにとって、自然は友達でアートは日常なのです。
なんて豊かな毎日でしょう!
ゆったりと散策したあとは、丘の上のカフェでひと休み。
森のテラス席でコーヒーを飲みながら野鳥の声に耳を傾けていると、蝉も負けじと鳴いているではありませんか。
ああ、もう初夏なのだなと実感した瞬間でした。
水の広場では、子供たちが足をつけてはしゃいでいます。
木陰で、お弁当を広げるカップル。
木漏れ日の中、彫刻体験コーナーで無心に石と向き合う人たち。
皆、思い思いに心潤す時間を過ごしているようでした。
芸術、自然、人が自由でありながら調和している心地よさを感じます。
行列する美術館巡りもいいけれど、たまにはこんな楽しみ方も素敵だと思います。